第7回-2【気分安定薬-注意点】ネット心理教育 双極症(@Zoom編)
こんにちは。ネット心理教育の布団ちゃんです。
前回に引き続き、気分安定薬について話します。
今回は気分安定薬4つそれぞれの注意点についてがメインです。
それでは本編に入っていきます。
リーマスには、手の震え、口が渇く、頻尿、気持ち悪くなったり、下痢したりするといった副作用があります。
リーマスの注意点としては、血中濃度の測定が重要だという点です。
デパケンは4つの気分安定薬のなかでは副作用が少ない薬といえます。
眠気や体重増加などの副作用がありますが、この体重増加は他の薬と比べると低いです。
デパケンの注意点としては、ラミクタールとの併用のときに注意が必要です。この点については後ほど詳しく述べます。
テグレトールの副作用としては、眠気、皮膚障害(カサカサする、湿疹が出る)に加え、 視覚聴覚異常という、音が半音下がって聞こえる変わった副作用があります。
テグレトールは、他の薬を強めたり弱めたりする作用に注意が必要です。
風邪を引いたときなど、別の薬を飲む際にはお薬手帳を必ず持っていくようにしましょう。
ラミクタールには重篤な副作用があるので、それを絶対に出さないための対策がなされています。
ラミクタールには、使い始めのときと、量を増やしていくときに重篤な皮膚障害を起こす可能性があります。粘膜が腫れたり、場合によっては死に至るアレルギー症状が起こり得ます。
これは、10万人に4人の割合で起こります。
ラミクタールを飲む患者はこの説明を医師と薬剤師から受けるため、少しでも異変があるとすぐに気付き病院に行くので、大事に至ることはほとんどないのが実情です。
注意点としては、重篤なアレルギーが出ないように、低用量からの慎重な増量が必要です。
では次のスライドに移って、今回は血中濃度を測定することの重要性がテーマです。
血中濃度を測定するのは、効果が出ているのを確認するためというより、副作用を防ぐことが目的です。
実質的に血中濃度の測定が必要なのは、気分安定薬では主にリーマスだけです。
リーマスの場合、効果が出る量である「有効域」と副作用が出る量である「中毒域」が近いです。
効果の出ている、ちょっと上の域に行ってしまうと、副作用の出る量になってしまということです。
リーマスでは、同じ量を飲んでいる人いたとしてもそれぞれの人によって、血中濃度はものすごく違ってきます。
同じ体格の人で、同じような双極性障害の症状の程度であっても、ある人は1錠飲めば効き、ある人は5錠飲んでも足りないという感じです。
つまり、その人その人の最適な量を見ていく必要があります。
更に複雑なのが、リーマスでは同じ人が同じ量を飲んでいたとしても、季節や飲み合わせによって血中濃度が変わることがあります。
一回測ったらそれでOKではなく、定期的に測る必要があるということです。
定期的な計測に加え、何か副作用の異変を感じたときには追加で血中濃度を測りましょう。
不安な点がある際には医師に相談しましょう。
次のスライドに移ります。
このスライドにある、具体的な数値は覚える必要はありません。
窓師の場合リーマス800mg~1000mgを飲むと、0.8~0.9Eq/Lで効果が出る量である「有効域」で、それを保つようにしているそうです。
しかし、0.9Eq/Lを超えると副作用が出る「中毒域」に窓師の場合入るそうです。
「有効域」と「中毒域」の近さが改めて分かりますね。
窓師の場合、季節によってリーマスの飲む量を変えているそうです。
塩分摂取量や発汗による脱水によっても血中濃度は変わるためです。
ここで、多くの人が聞いたことがあるかもしれない、リーマスとロキソニンについてのお話です。
ロキソニンとリーマスは「併用注意」であり、絶対に一緒に飲んではいけない「禁忌」ではありません。場合によっては飲まないようにしてくださいということです。
なぜ注意しなくてはならないかを理解することが必要です。
ロキソニンはリーマスの血中濃度を20%上げます。
しかし、リーマスの服薬量が少なく中毒域よりもずっと低い場合(他の気分安定薬との併用をしている場合など)には、血中濃度が20%上がったとしても、副作用が出る「中毒域」には至りません。
ではリーマスの量を多めに飲んでいる場合には、風邪などでロキソニンを一緒に飲んではいけないのでしょうか。
ロキソニンがリーマスに影響するのは3~4日掛けてゆっくりと影響するので、一気に血中濃度の数値が変わることはありません。
従ってロキソニンの飲み方によっても、飲み合わせの注意度は変わってきます。
風邪や熱、一時的な頭痛などでロキソニンを飲む場合、ロキソニンを飲む期間は1日ですよね。
先述の通り、ロキソニンの作用がリーマスに影響するのは3~4日掛けてゆっくりなので、風邪や熱のような短期間服用の場合には、飲み合わせの問題はないです。
ということで、腰痛などの整形の分野のような、痛みがずっと続く場合には、毎日ロキソニンを飲み続けることになるので、飲み合わせがよくないといえます。
ロキソニンの貼り薬は、局所なので筋肉のところにしか薬が存在しません。ですので、ロキソニンとリーマスの飲み合わせ(組み合わせ)を気にしなくても良いでしょう。
いずれの場合でも、リーマスとロキソニンを同時に飲んで何か異変を感じた場合には、すぐにロキソニンの服用を中止し、医師・薬剤師に相談してください。
次のスライドに移ります。
リーマスは腎臓から排泄されますが、他の3つの気分安定薬は肝臓で分解されます。
この3つの薬のうち、デパケンでは血中濃度を測ったことがある方も居るかと思います。
デパケンとラミクタールを一緒に飲むと、ラミクタールの血中濃度が2倍上がります。
ラミクタールの飲み始めでは、慎重に量を増やすという話をしましたが、デパケンと一緒に飲む場合には更に慎重さが必要になってきます。
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【最後に】
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のネット心理教育@Zoomはいかがでしたでしょうか?
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・次回のZoomは、2020年7月18日(土)の14時から「抗躁薬(非定型抗精神病薬)」です。
【ご案内】2021年1月22日更新
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