今回からの3回のセッションは、自分の躁やうつに気づいて対処していく方法を見出す、非常に重要な回になります。
第6回で使用したライフチャートをお持ちの方は、参考に使いますのでお手元にご用意下さい。
今回のネット心理教育は、躁と軽躁エピソードの早期発見についてです。
今日の流れとしては‥
兆候(早期症状より前に出現する、症状とは言えない程度の変化)について考える。
兆候の例と対処法の例:「症状の山」という例から。
自分オリジナルの症状のリストを作るヒント。
となっています。よろしくお願いします。
まずは双極症の診断基準からです。
症状がどのくらい続くと躁、軽躁と呼ばれるのかは第4回のブログを復習してみて下さい。
では、早期症状よりも手前の兆候を見ていくとき、どんなことに注意して見ればいいでしょうか。
量の変化:普段から見られる行動が増える・減る。
量の変化では、話す量が増える、考える量が増える、活動量が増えるなどが見られ、反対に減る例では、睡眠の減少などが見られます。
質の変化:普段は見られない、新たな行動や考えが出現する。
質の変化では例えば、普段穏やかなひとが過敏になりひとと言い争う、突然新しい関心をもつ、これまで摂っていなかった精神活性物質を摂取するなどがあります。
次に「症状の山」を見ていきましょう。
「症状の山」とは兆候の具体例と対処法を山に例えたものです。
山の頂上で「あ、躁状態だ」と気づいても、手遅れになってしまい、対処法としては入院になってしまいます。
ですので、山の麓/斜面の始まりの段階で気づくことが大事です。
当事者や身近なひとが行動上の小さな変化を認識できるように、自分オリジナルの症状のリストを作ります。
右側に山の絵が書かれています。
斜面の始まりで気づいたら、睡眠時間の調整で済むのが、山の上で気づいた場合には入院が必要になってしまうということです。
「症状の山」はあくまでも例なので、暗記する必要はないです。
自分の場合どんな兆候が現れるかな、これ体験したことあるなぁと考えながらみてみてください。
山の下からたどっていきます。
山の斜面の下のほうなので、そんなにひどい躁状態の内容ではないです。
左側に兆候の例が、右側に対処法が書かれています。
山の上の方に登っていくに連れ、どんどん症状が悪化していきます。
このスライドでは、「症状の山」でも見られた、躁/軽躁状態で起こる内容がまとめてあります。
このような変化、自分の場合はどうかと考えてみて下さい。
自分自身のオリジナルの早期症状リストを作ると、自分をよく知ることができ、どのような兆候が軽躁や躁の再発の指標になるかがわかります。
ここで、症状リストを作る上でのヒントを紹介します。
まず、ライフチャートを使うと、再発のきっかけや兆候がわかることもあります。
(ライフチャートの書き方は第6回のブログを参考にしてください。)
次に、普通の気分の揺れと双極症の病的な気分の変動との違いについてです。
普通の気分の揺れは、数時間後・数日後には治まっていきます。しかし、双極症の気分の変化(早期症状)は時間が経てば経つほど悪化していきます。症状の山で紹介した例でいうと、「朝早く目覚める」→「ほとんど眠っていない」→「まったく眠る必要がない」へと悪化していましたね。
別のヒントとしては、「気分が高まっている」という基準でなく、行動の変化を追っていくと客観的でわかりやすいと思います。
そして最後に、色々な行動の変化が別々に起きていれば早期症状とは言えませんが、変化が同時に起きている場合、躁/軽躁を疑ったほうがよいでしょう。
具体例として、窓師の場合の「症状の山」を見てみましょう。
窓師はライフチャートを見ながら、自分が上がったときである30歳前後や40代中盤、50歳自分の変化に注目して振り返ったということでした。
窓師の場合、こんな変化があるそうです。
皆さんの場合はどうですか?
ということで、今回は躁と軽躁エピソードの早期発見について見ていきました。
来週は、「うつと混合の早期発見」を見ていき、その次の週で対策を紹介していきます。
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ネット心理教育のゼミでは、こういった内容についてのグループワークを通じて、みんなで話し合っていろいろな意見や体験談を出します。
また5月からはツイキャスに加えて、zoomでネット心理教育を行います!
イメージとしては、ツイキャス本編+ゼミを最初からzoomで行うものです。
質問や参加ご希望の連絡はTwitterまでお願いします。
最後に
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
今回の心理教育キャスはいかがでしたでしょうか?
・今回の内容のYouTubeはこちらから。
・次回配信は、今日2020年4月26日の21時から「うつと混合の早期発見」という内容でツイキャスをします。
是非来てください!
【ご案内】2021年1月22日更新
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